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昭和初期から残る近代日本建築が生まれ変わるまで
#3 ゆくてを阻む草木たち

昨年の初秋。旧横尾邸(僕たちの愛称は”とらや”だ)には彼岸花が咲いていた。

…生えてているのは彼岸花だけではなかった

約580坪の広大な敷地の半分以上は、日本庭園だ。

少しでも目を離すと、ありとあらゆる草木が好き放題に伸び、

あっという間に土を、砂利を、埋め尽くしてしまう。

風が吹くたびに、草どうしが擦れあう大音響。

まず着手すべきはこの草木をどうするか。だった。

造園屋の高山さんと共に現地調査だ。

玄関。建物が見えないほど草木が茫々と生えている。
蚊取り線香は必需品。

高山さんはこの道のプロだ。僕たちがこの草木たちを前にして茫然とする中、

あの草はこう処理しよう、この木はここから剪定しよう。などテキパキと決定していく。

とても頼もしい高山さん。
ゆくてを阻む草木たち
庭園内のおえべっさん。いつも朗らかに見守ってくれる。

この草木が綺麗になれば、第一印象はかなり変わるはずだ。

やるべきことはたくさんあるけど、まずはここから始めよう。